前回の記事では、ゴミ屋敷と孤独死の部屋を特殊清掃する際の、
作業の流れや費用について教えてもらいましたね。
うむ。
今回は引き続き「火災」と「水害」、そして「ペット屋敷」における特殊清掃の
作業内容を解説していこう。
隊員:そういえば…。
子どもの頃に大雨で床下スレスレまで浸水したことがあります!
災害後の家は、通常の清掃では対処できないものが多い。
水害も、水がどこまで浸水したのかで特殊清掃の作業内容も費用も変わって
くるから、よく理解しておこう。
よろしくお願いします!
もくじ
特殊清掃というと「ゴミ屋敷」や「孤独死」がおきた部屋を清掃するイメージが強いかもしれません。
しかし実際は、災害後の住宅や、ペットを多頭飼育により崩壊してしまった家の特殊清掃も行ったりと、
さまざまなケースがあります。
この記事では、特殊清掃業者に依頼する際に生じる
「どんな作業を、どこまで担当してくれるの?」
「作業の流れや費用について、具体的に知りたい」
といった疑問にお答えできる内容になっています。
ぜひ最後まで読んでいただき、参考にしてください。
前回の記事のおさらいになりますが、特殊清掃の主な作業としては、以下の5つがあります。
1. ゴミ屋敷
2. 孤独死
3. 火災
4. 水害
5. ペット屋敷(多頭飼育により崩壊した家)
この記事では「火災」「水害」と「ペット屋敷」の内容について、詳しく解説していきます。
火災が発生した家の特殊清掃は、多くの作業工程が必要となるケースが少なくありません。
燃えてしまったものは大量のゴミとなりますし、たとえ小規模であっても火災現場には火災臭が
残るため、煤清掃や消臭をして特殊コーティングで仕上げるといった作業が必要になります。
作業 | 具体的な内容 |
火災ゴミの分別と梱包 | 一般ゴミで処分できない火災ゴミを分別して梱包する |
解体作業 | 火災により壊れてしまった建物や、内装を解体する |
煤清掃 | 壁や天井などに付いている煤を取り除く |
ケレン作業 | 清掃で取りきれなかった煤を取り除く |
有害物質の酸化分解 | 有害物質を科学的に分解することで、人が使用できる環境まで回復させる |
特殊コーティング | 特殊な薬剤でコーティングを施し、悪臭をとじこめる |
完全な消臭 | 高濃度のオゾンを使用して消臭を行う |
ダイオキシン濃度の測定 | ダイオキシンなどの有害物質が残っていないか、機材で確認する |
上記作業の流れを、画像で確認してみましょう。
通常、火災が発生した現場はダイオキシンなどの有害物質が発生していたり、金属や
ガラスなどが多く散乱しています。
危険も伴うことから時間もかかりやすく、人が住める状況まで回復させるには、上記の
ようにさまざまな作業工程が必要となるのです。
火災現場の特殊清掃は、その規模により作業工程が変わってくるので金額の振り幅も大きく、
一概にはいえません。
状況により、100万円以上の費用がかかるケースもあります。
ここでは一例として、リスクベネフィットがおこなう場合の料金をお知らせします。
ひとつの参考として考えてみてください。
作業 | 費用の参考価格 |
有害物質の酸化分解 | 50,000円 / 1部屋 |
ゴミの分別から梱包、袋つめ | 140,000円 / 5㎡ |
内装材の撤去 | 35,000円 / 1人 |
壁や天井のケレン(一部) | 9,200円 / 1㎡ |
特殊コーティング | 6,500円 / 1㎡ |
ダイオキシン濃度の測定 | 250,000円 / 1箇所 |
火災現場での特殊清掃は、作業内容も幅広く手間と時間がかかります。
作業を行う場所の数や範囲によって費用が変わりますが、通常の作業以外のご相談を
いただくケースも多いです。
それぞれの状況にそった料金について知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
水害現場の特殊清掃では、「排水」「洗浄」「消臭」「消毒」などの作業が主な作業です。
浸水した家の中は、水に加えて多くの泥やゴミが流れ込んでいます。
とても不衛生な状態なので、手間と時間のかかる作業です。
作業 | 具体的な内容 |
排水 | 床下にたまった水や泥などを、排水ポンプでかきだす |
泥の除去 | 屋内壁の裏側にたまった泥をとりのぞき、住宅の腐食を予防する |
床下の泥を除去 | 床下に泥が流れ込んでいないかチェックして、たまった泥をとりのぞく |
オゾン燻煙 | オゾンの機材を用いて、同時に消毒と消臭を行う |
床上の清掃 | 床上に流れ込んだ水を除去し、壁の裏側まで洗浄し消毒を行う |
家財の撤去 | 水に浸かって使用できない家財を撤去する |
解体 | 建物や内装の一部を解体する |
カビの除去 | 青カビや黒カビを取り除く |
上記がよくある水害現場における作業の流れですが、これら全ての作業をするかどうかは
状況にもよって変わります。
家族やボランティアの方が協力して、家財を撤去した場合などは必要ありません。
依頼する際には、現状をよく把握してから相談してみましょう。
現場による作業内容の変動が大きく、水害の特殊清掃は費用の相場がつかみづらいところが
あります。
あくまでも一例ですが、「床下洗浄」「床下の排水」「床上浸水の消毒」作業を依頼した場合の
費用が672,546円でした。そこへ、さらに基本料金や作業員の費用がプラスされます。
決して安くはないですが、それだけ水害後の特殊清掃は困難だということでもあります。
決して無理をせず、プロに相談してみてください。 下記ページ「水害復旧を特殊清掃業者に
依頼するワケ」では、もっと詳しい内容を解説しています。
ペット屋敷の特殊清掃は、多頭飼育の失敗により床が糞尿にまみれていたり、フェロモン臭が壁や
天井にしみついている状態の家を、人が暮らせる環境まで回復させる作業です。
そのため、主な作業は糞尿の除去と消臭になります。
作業 | 具体的な内容 |
糞尿の除去 | 床下にたまった水や泥などを、排水ポンプでかきだす |
泥の除去 | 屋内壁の裏側にたまった泥をとりのぞき、住宅の腐食を予防する |
床下の泥を除去 | 床下に泥が流れ込んでいないかチェックして、たまった泥をとりのぞく |
オゾン燻煙 | オゾンの機材を用いて、同時に消毒と消臭を行う |
床上の清掃 | 床上に流れ込んだ水を除去し、壁の裏側まで洗浄し消毒を行う |
家財の撤去 | 水に浸かって使用できない家財を撤去する |
解体 | 建物や内装の一部を解体する |
カビの除去 | 青カビや黒カビを取り除く |
ペット屋敷の特殊清掃費用は、部屋の広さや、それに伴って必要となる作業員の人数によって異なります。
汚れの程度にもよりますが、全体として30万〜50万円くらいの費用を見積もっていたほうがいいでしょう。
ここでは一例として、リスクベネフィットがおこなう場合の料金をご案内します。
ひとつの参考として考えてみてください。
作業 | 費用の参考価格 |
糞の除去 | 35,000円 / 1人 |
家財のふきとり | 35,000円 / 1人 |
壁紙をはがす | 35,000円 / 部屋 |
床の解体 | 35,000円 / 部屋 |
雑菌の消毒と除菌 | 35,000円 / 部屋 |
フェロモン臭の分解 | 100,000円 / 部屋(犬と猫どちらも) |
特殊コーティング | 5,000円 / 箇所 100,000円 / 部屋 |
上記の表には、別途相談が必要になる作業のぶんは入っておりません。
(例えば、特殊清掃後のハウスクリーニングなど) 詳しい料金を知りたい方は、下のボタンから
お問い合わせができますので、お気軽にご利用ください。
これで以上だ。
災害後の住宅や、ペットの多頭飼育で崩壊した家の特殊清掃について、
作業内容を把握できたかな?
火災や水害となると、現場の状況が複雑になるので作業が多岐にわたるんですね!
そうなんだ。
火災現場のゴミは一般ゴミと違い煤が付着しているから、通常より注意が
必要になる。より慎重な作業が求められるんだな。
知識をつけることで、理解が深まりますね。
これで、特殊清掃について尋ねられても、丁寧に教えてあげられると思います。
みなさんも、お困りの際にはぜひお気軽にご相談くださいね!