原状回復の相場を知って高額支払いを回避しよう！

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原状回復の費用を場所別に解説

前回の記事では、賃貸物件を退去する際の原状回復費用について、退去者は経年劣化や通常の
使用によるキズや汚れのぶんは負担しなくていいガイドラインがあると解説しました。
今回は、物件内で「場所ごとの修繕費用がどのくらいかかるのか？」その相場について
具体的な金額をお伝えしていきます。

ガイドラインの知識に加え費用の目安を知っていれば、法外な請求がきた場合に
気づき対処することもできます。
必要のない費用まで支払うことのないように、ぜひ最後までお読みください。

知っておこう！原状回復費用の相場はこちら

では、具体的にどのくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。
こちらは原状回復費用でよくある、修繕内容の相場をあらわした表です。

修繕の内容	修繕費用の相場
天井の穴や壁穴を補修する	1.5万円〜3万円（１箇所につき） ※穴が大きいと５万円〜になることもあります。
床の汚れを除去する	1万円~2万円（１箇所につき）
壁紙を張り替える	1,000円〜1,500円（㎡あたり）
床を張り替える	1,000円〜1,500円（㎡あたり）
絨毯やカーペットを張り替える	3,000円（㎡あたり）
畳を張り替える	6,000円（畳１枚あたり）
ハウスクリーニング	1R or 1K：15,000円〜25,000円 1DK or 2K：25,000円〜35,000円 1LDK or 2DK：50,000円〜55,000円 3LDK or 4DK：60,000円〜65,000円 4LDK or 5DK：65,000円〜

上記の金額はあくまで目安で、指定業者やキズと汚れの具合によっても変わります。
続いて、トイレやキッチンなどの場所別に相場を紹介していきます。

原状回復費用を場所ごとにチェック！

【キッチン】

キッチンの原状回復におけるポイントは「新しい入居者が不快に感じないレベル」までに
もっていくことです。

壁紙の張り替え作業	800円〜1,500円（1㎡あたり）
タイルの張り替え作業	5,000円〜15,000円（1㎡あたり）
パネルの張り替え作業	40,000円〜70,000円（1㎡あたり）
流し台の交換	流し台本体の価格+施工費20,000円〜30,000円

【トイレ】

トイレの原状回復は壁紙や設備の修理が主な修繕内容です。

「水漏れが頻回する」「水が流れない」などの不具合があった場合は新品に交換する必要も生じます。

壁紙の張り替え作業	800円〜1,500円（1㎡あたり）
トイレの交換	トイレ本体の価格+施工費20,000円〜30,000円

【バスルーム】

バスルームは、「ユニットバス、シャワーヘッド、壁の清掃」と「各設備の修理」が主な内容です。

ユニットバスの交換	ローグレード：60万円〜70万円 ミドルグレード：70万円〜80万円 ハイレード：100万円
シャワーヘッド、ホースなど修理や交換	10,000円〜30,000円（部品による）

【リビング】

壁にできた穴の補修	15,000円〜30,000円（１箇所）
カーペットの張り替え	6畳：10万円 20畳：30万円〜40万円 ※カーペットの価格により変動
床の張り替え	6畳：9万円〜18万円 8畳：10万円〜20万円 ※床材の質により変動
巾木の張り替え	30,000円〜50,000円
天井の塗り替え	1,000円（1㎡あたり）

【玄関】

玄関の原状回復は、土間の床を張り替えたり、壁紙を張り替える作業が主な内容です。

ユニットバスの交換	ローグレード：60万円〜70万円 ミドルグレード：70万円〜80万円 ハイレード：100万円
シャワーヘッド、ホースなど修理や交換	10,000円〜30,000円（部品による）

原状回復費用の高額請求に気をつけて！

これまでの記事で、お部屋の状態に応じた原状回復費用の相場がどの程度なのか、イメージが
つかめたかと思います。

ですが、実際の退去時には原状回復費用によるトラブルが多く、国民生活センターの相談件数は、
なんと年間１万件を超えています。
前回の記事でもお伝えしたように、「賃貸契約書に特約記載があり、サインをしていた」など、
高額請求をされてしまう場合もあるのです。
でも、あきらめてはいけません。
家主さんに相談してみることで、費用をおさえられる場合もあります。

なるべく安くすませられるなら、その方がいいですよね！
次は、その方法をお伝えしていきます。

原状回復費用をなるべく安くすませる方法は？

「原状回復費用は安くすませたい！」
「必要以上の支払いはしたくない…」

そんな方は、以下の２つのポイントをおさえておきましょう。

・不必要な費用について家主に相談してみる
・指定業者を変えてもらうよう家主にお願いする

退去時における原状回復費用の負担は、国土交通省のガイドラインによって退去者と家主
それぞれが請け負う範囲が明確に分けられています。
暮らしていた部屋の状態から、払う必要のない費用が入っていると感じたときは、まず家主に
相談してみるといいでしょう。

ただし、ガイドラインをよく理解した上で、部屋の現状とこれまでの使い方などの根拠を
示すことができないと、家主の印象を悪くするだけになってしまいます。

業者も通常は賃貸契約書で指定されていますが、家主の了承が得られれば変更が可能
ですので検討してみてください。

以下の４つを確認し、下準備をした上で交渉にのぞむといいでしょう。

①ガイドライン記載の原状回復費用について負担範囲を確認する ②賃貸契約書に特約がありサインをしているか確認する ③原状回復する内容について業者に見積もりを依頼する ④使用年数により減額できることもある

①②については、前回の記事「賃貸物件の原状回復って？費用は誰が負担するの？」でも
解説しているので、そちらをご覧ください。

③は別の業者に見積もりをしてもらうことで、減額のお願いをする際の説得力になります。
無料見積もりをしてくれる業者を探して、依頼してみましょう。

④については、使用年数が長期の場合に経年劣化から壊れやすくなっていた可能性があると、
退去者が負担する内容の部分でも、減額してもらえることがあります。

例えば、退去者の不注意で破いてしまった壁紙が、実は経年劣化で破れやすくなっていた
ケースなどです。
使用年数が長期の場合は、相談してみるといいかもしれませんね。