前回の孤独死の消臭法に続き、今回は孤独死現場の消臭料金について説明させて頂きます。
特殊清掃業者と聞くと多くの方が孤独死現場の消臭について連想されますが、
その業者毎の料金設定の差についてメスを入れてまいります。
その前に孤独死現場の消臭方法が知りたい方はこちらをお読みください
もくじ
孤独死消臭依頼の際は複数社のHPをご覧になる方が大半であります。
そこで皆様が到達する一つの疑問。
【どこの会社も違いが判らない…】
孤独死現場の消臭方法は殆どのHPで【オゾン燻蒸】と説明されます。
言い換えると、詳しい説明も無く、その一言だけなのです。
しかし、その料金はというと安い所では、30000円~(※2020/2/5現在)
筆者の株式会社リスクベネフィットではワンルーム程度の孤独死現場で¥185145円。
なんと、その金額差はおよそ6倍。
同じ孤独死消臭の為の【オゾン燻蒸】を行うにも関わらずとても大きな料金差があるのです。
孤独死消臭の料金にどうしてここまで大差があるのか?
その答えは【消臭力】です。
このグラフは、特掃隊で行った消臭力(オゾン濃度)の測定データです。
上記データは、よくある特殊清掃業者が使用している格安の消臭機材を使用したもので、
発生するオゾンの濃度はピークで約4.2PPMです。
この時の外気のオゾン濃度が約0.7PPMと考えると、1分間で6時間の換気と同程度の消臭力です。
次は特掃隊で孤独死消臭する際の使用機材とオゾン燻蒸促進剤【ペペ】併用時のグラフです。
こちらは最大でオゾン濃度約130PPMという数値が記録されました。
特掃隊以外のオゾン燻蒸と比べるとその差は31倍。
料金差は6倍ですが、消臭力は31倍も違うのです。
料金 | 1PPMの料金 | |
よくある特殊清掃業者 | 30,000円 | 7,500円 |
特掃隊 | 185,145円 | 1,425円 |
1PPM当たりの料金で比べると、本当に安いのはどちらなのか? 一目瞭然です。
同じ【オゾン燻蒸】ですが、提供する【消臭力】で料金にも違いがあるのです。
何故、消臭力が低い方が料金が高くなってしまうのか? は後ほど詳しく書きますのでここでは割愛致します。
上記のデータグラフから分かるように、孤独死消臭はピンキリであります。
では、孤独死消臭に必要なオゾン燻蒸濃度とオゾン時間をご紹介いたします。
特殊清掃業者を選ぶ際の一つの基準にしてください。
孤独死消臭に必要なオゾン濃度は
最低でも10PPM以上、最大で50PPM程度です。
夏場の孤独死現場であれば、50PPM程度で約3日間のオゾン燻蒸が必要です。
8畳程度 | 16畳 | |
剛腕1000 | 1PPM | 0.5PPM |
PURIFIER | 4PPM | 2PPM |
パンサー | 24PPM | 12PPM |
タイガー | 42PPM | 21PPM |
タイガー&パンサー | 61PPM | 30PPM |
※特掃隊の各機種毎のオゾン濃度テスト
※青色の部分は基準を満たしている場合です。
必要なオゾン濃度を知ることで
業者が提供している大凡の消臭力が推し量れます。
〇依頼した部屋の広さに応じた機材を提供しているか?
〇使用している機材の性能について詳しい説明ができるか?
〇自社機材で発生するオゾン濃度のデータを持っているか?
上記の3点を参考に業者を選ぶと、消臭力に優れた業者を選ぶことができると思います。
ここで少し話は変わりますが、皆様エアコンを購入された事はありますか?
エアコン選びとオゾン選びは共通点が沢山あるのです。
それでは某社のエアコン広告を見てみましょう!
そうです。
このエアコン選びの際に誰もが基準にする所。
能力目安です。
いわゆる何畳用であるのか?です。
広い空間になるほど、より強力な能力を持ったエアコンが必要です。
これは孤独死消臭でも同じことです。
空間の広さに対して求められる能力と使用するオゾン量は変わってくるのです。
加えて特殊清掃の場合は能力目安だけでなく、対象物の臭いの強さである臭気のレベルも加味しなければなりません。
同じオゾン燻蒸の為の機材でも、ホテル客室の定期清掃を行う為の機械もあれば、我々が特殊清掃の現場で使う機械まで種類は様々です。
ですから、もちろん料金もピンキリになって当たり前なのであります。
6畳用のエアコンと、ビルのワンフロア用のエアコンを同額で手配するのは不可能です。
これと同様に、オゾン燻蒸用の機材も用途に合わせた設備費用が必要なのです。
ここからは業者選びというよりも、特殊清掃業界の闇の部分に触れていきますので、
単純に消臭料金から見る業者選びを模索している方は割愛くださいませ。
約9割以上の業者がここに当てはまると言えるでしょう。
消臭料金に対してどのように未熟なのか?
そもそも【料金の根拠が無い】
と言う事です。
例えば、他社がHPで5万円と謳えば、こちらは4万円!といった具合に他社より安く見せる為であったり商談しやす値段はいくらなのか?
と言う事だけを考えて料金を決めている会社が殆どであります。
約95%以上の業者が当てはまります。
非常にお恥ずかしいのですが…業者の多くは素人に毛が生えた程度と思ってください。
その背景には、専門的な勉強機関や、消臭作業という目に見えない作業の為
一定の基準が無いという問題があります。
オゾンの濃度って? 湿度との関係とは? 孤独死現場の臭気成分は?
といった事が分かっていないのです。
同業者がオゾン燻蒸をしているから、オゾン燻蒸をしているにすぎないのです。
これは一部数字や成分を除いたものでありますが、カレーや香水などの原材料に使われる【クミン】の消臭テストの図です。
特掃隊加盟業者では、このように臭気を【見える化】しており、24時間管理しています。
そこから、オゾン濃度は?オゾン濃度が上がると何の臭気成分が分解されるのか?などきちんとしたデータを持っており、そこから導き出した結果から、工数や、孤独死消臭料金が決められています。
※特掃隊センサー【インディー】活用例
この様に根拠に基づいて消臭料金が決められている訳ではなく、「有名どころの会社よりは安くした方が良いな!」という理由だけで料金が決められているケースが多い為、消臭力が低い方が単価が安い!という逆転現象が生まれているのです。
筆者は普段会社の受付などを行っております。
するとオゾン燻蒸いくらですか?と聞いてくるお客様が増えました。
値段を聞き、そこから音信不通の方が多くいます。
数年前ではオゾン燻蒸自体が世で認知されていませんでした。
しかし、業者が乱立して、お客さんに情報が拡散したのです。
拡散された情報が本当に正しく伝わっているのか?
疑問に思う事が多く、今回の記事作成と相成りました。
考えてみてください。
バック一つでもコンビニ袋から、エルメスのバックまでピンからキリまであります。
オゾン燻蒸も同じようにピンからキリまであります。
その様な情報があまりにも乏しく、お客様が知らずに判断している状況である、と常日頃から感じています。
あまり表に出したくないオゾン燻蒸の【見える化】データを本舗初公開致しました。
お客様が孤独死消臭料金の考え方を知っていただき、お役に立てば幸いです。