独居高齢者の増加で孤独死が増えていますが、最近は「孤独死保険」というのがあるそうですね。
そうです。
孤独死保険は賃貸住宅で孤独死があったときに、家賃の損失などを補償する保険です。
すると、家主がかけるのですか?
孤独死保険には家主型・入居者型の2種類があります。
それぞれの特徴をみていきましょう。
もくじ
孤独死保険には大きく分けて、家を貸す側がかける保険と家を借りる側がかける保険があります。
家を貸す側とは賃貸住宅の大家さん(家主・管理会社)です。家主や管理会社が自分のために契約し、自分が補償を受けます。
一方、入居者がかける保険は入居者が契約し、ご遺族が補償を受けます。
家主型孤独死保険と、入居者型孤独死保険には、どのような違いがあるのでしょうか。
家主型 | 入居者型 | |
保険の種類 | 単独の短期保険 又は火災保険の特約 | 家財保険などの特約 又は単独の短期保険 |
保険料を支払う人 (契約者) | 家主・管理会社 | 入居者 |
保険金を受取る人 (被保険者) | 家主・管理会社 | 入居者 (入居者の遺族) |
補償内容 | ①遺品整理費用 ②原状回復費用 ③家賃保証費用 | ①遺品整理費用 ②原状回復費用 |
両者の大きな違いは、「誰が保険を契約し、誰が保険金を受け取るのか」という点です。
そして、家主型孤独死保険は、単独の短期保険として契約する方法が一般的です。
一方、入居者型孤独死保険は、賃貸住宅に入居する際に契約する家財保険の特約(オプション)として契約するケースが多いようです。
近年さまざまなタイプの孤独死保険が登場し、保険の種類を自由に選べるようになってきています。
それぞれの保険についてみてみましょう。
「家主型孤独死保険」では、所有する賃貸住宅で入居者が孤独死した部屋の片付けや、修理費用を家主(または管理会社)が負担しなければならないときに、その費用が補償されます。
また、孤独死があったため空室になったり、家賃を減額しなければならなかったりする場合に、家賃の損失分が補償されます。
「家主型孤独死保険」では、次の3つの項目に関する費用が補償されるケースが一般的です。
保証内容 | 詳細 |
①遺品整理費用 | 孤独死があった部屋に残された遺品の片付けを、業者に依頼した場合に発生する費用。 残置物処理費用とも呼ばれる。 |
②原状回復費用 | 孤独死があった部屋を、再び賃貸できるようにするための作業を業者に依頼した場合に発生する費用。 清掃、消臭作業、畳の張り替えなど。 |
③家賃補償費用 | 孤独死があった部屋や隣の部屋で空室が続いた場合の家賃や、家賃を減額しなければならなかった場合の損失額。 |
「家主型孤独死保険」の保険料の相場は、1室につき月額数百円程度です。
実際に支払う保険料の総額(総負担額)は、契約の条件や所有する賃貸住宅の戸数によって変わります。
具体的には、次の2つの契約パターンがあります。
基本的に、特定の部屋にだけ孤独死保険をかけることはできません。
また、4戸からというように、最低戸数が指定されているケースもあります。
例えば、月額保険料を300円とする場合、1室分の保険料は年間で3600円。10室のアパートであれば、年間に支払う保険料の総額は、3万6000円ということになります。
家主型孤独死保険を選ぶときにはどこに注意すればいいのでしょうか。
家主型孤独死保険は、賃貸住宅の1戸のみで加入することはできません。
通常、1棟単位または、所有する賃貸住宅すべてに加入することが加入条件となります。
また、最低加入戸数が指定されている場合もあります。保険の内容を確認し、自分のニーズに合った保険を選ぶことが大切です。
家主型孤独死保険で、最低限必要とされる補償は次の3項目です。
この3項目が補償内容に含まれていることが大切です。
「家主型・入居者型」両方に対応する保険では、家賃補償が含まれない保険があります。
また、事故の場合にしか遺品整理費用が補償されない保険もあるので注意が必要です。
孤独死などにより賃貸住宅に損害があったときに、空室となった期間の家賃の損失が補償されます。
空室になった場合、家賃を下げた場合など、補償の条件は保険の種類によって異なります。
また、補償される期間、補償額の上限も異なりますので、確認して選びましょう。
原状回復のための修理費用や遺品整理費用が必要となったときに、かかった費用の実費が補償されます。
補償される金額は保険の種類によって異なり、50万円〜100万円と幅があります。
また、原状回復と遺品整理費用が合算される場合と、それぞれについて費用が補償される場合があります。
戸数が多ければ支払う保険料も高額になります。無理のない範囲で保険を選ぶことが大切です。
賃貸住宅の入居者が、自分が孤独死してしまった場合に備えて契約をおこなうのが「入居者型孤独死保険」です。
この保険では、賃貸住宅の入居者が、保険の契約者となり、保険料を支払います。
そして、「孤独死した方の遺族」が保険金を受け取ります。
入居者が孤独死し、借りていた部屋の片付けや修理にお金がかかり、その費用を相続人である入居者の遺族が負担しなければならないときに、保険金が支払われます。
この保険では、次の2つの項目に関する費用が補償されるケースが一般的です。
保証内容 | 詳細 |
①遺品整理費用 | 孤独死があった部屋に残された遺品の片付けを、業者に依頼した場合に発生する費用。 残置物処理費用とも呼ばれる。 |
②原状回復費用 | 孤独死があった部屋を、再び賃貸できるようにするための作業を業者に依頼した場合に発生する費用。 清掃、消臭作業、畳の張り替えなど。 |
「入居者型孤独死保険」の保険料の相場は、1室につき月額300円程度です。年間で3,600円程度になります。
入居者型孤独死保険は単独の保険として契約するのではなく、賃貸住宅に入居する際に加入する「家財保険の特約」として加入するケースが一般的です。
賃貸住宅の入居者が孤独死保険を選ぶときに見るべきポイントは、次の4つです。
孤独死保険に加入する前に、すでに加入している家財保険や火災保険などに、孤独死に関する補償が含まれていないかどうか確認しましょう。家財補償や賠償補償が十分まかなわれている場合は、新たに加入する孤独死保険には、家財補償や賠償補償は不要です。
このような場合は、原状回復費用・遺品整理費用に特化した保険を選ぶことをおすすめします。
入居者型孤独死保険で、最低限必要とされる補償は次の2項目です。
この2項目が補償内容に含まれていることが大切です。
保険の種類によっては、事故の場合にしか遺品整理費用が補償されない孤独死保険もあるので注意しましょう。
単に「遺品整理費用」とだけ書かれている場合は、孤独死したときの遺品整理も補償の対象になるのかどうか、確認することが大切です。
入居者型孤独死保険では、原状回復のための修理費用や遺品整理費用が必要となったとき、その費用を負担した「入居者の遺族」に、かかった費用の実費が補償されます。
補償される金額は保険の種類によって異なり、50万円〜100万円と幅があります。ニーズに応じた保険を選ぶことが大切です。
孤独死以外で死亡した場合の「遺品整理費用」が補償の対象となる保険があります。
遺品整理は、病気や事故で死亡した場合にも必要となるため、入居者の遺族に費用の負担がかかります。
居室の遺品整理にかかる費用が心配な場合は、孤独死以外(居室外で亡くなった場合)も含めて補償する孤独死保険を選ぶことをおすすめします。
今回は、孤独死保険についてみてきました。
孤独死保険には、入居者の孤独死に備えて大家・管理会社がかける「家主型」と、入居者がかける「入居者型」の2種類がありました。
孤独死が起こったときには原状回復や遺品整理が必要です。
家主型も入居者型もこれら特殊清掃の費用を補償してくれるものでした。
保険金を使って特殊清掃を専門の業者に依頼するときは、当サイトにご相談ください。