普通の清掃と違って、特殊な技術や薬剤を使う特殊清掃って高そうですね。
一体どれくらいかかるのでしょう?
火災現場や孤独死現場など通常の清掃では対応できない現場の清掃を
おこなう特殊清掃は、どれくらい費用がかかるのか気になりますよね。
もくじ
特殊清掃の料金は掃除をする場所の間取りと作業内容によって決まります。
ここではまず、間取り別の特殊清掃の料金相場をみてみましょう。
間取り | 特殊清掃・消臭作業代 |
1R・1K | 70,000円~ |
1DK | 100,000円~ |
1LDK | 130,000円~ |
2DK | 180,000円~ |
3LDK | 240,000円~ |
3LDKと1R・1Kの間取りを比較すると3倍以上の料金になっているのがわかります。
このように間取りが特殊清掃の料金を大きく左右します。
間取り別の特殊清掃料金に追加されるのが、作業内容別の料金です。
ここでは、よくある特殊清掃の5つのパターンについて、主な作業別の料金相場をご紹介します。
火災現場の特殊清掃は、火災の規模や燃焼具合によって必要な作業や工程が大きく異なります。
もちろん火災現場の作業料金も、作業が必要な部屋の広さによって料金が左右されるケースが多いです。
焼け焦げた残置物や灰を袋詰めしていく分別・梱包・袋詰め作業は5㎡あたり140,000円なので、焼け焦げている面積が広いほどコストがかかります。
同じように、ススを除去していく天井・側壁 一部ケレン作業や特殊コーティング作業も、作業が必要となる部分が広いほど料金が高くなります。
例えば、40㎡(2部屋)の火災現場を特殊清掃する場合は、おおよそ次のような特殊清掃料金がかかります。
初期有害物質分解作業 | 100,000円(2部屋) |
分別・梱包・袋詰め作業 | 1,120,000円 |
内装材撤去作業 | 70,000円(2人) |
天井・側壁 一部ケレン作業 | 92,000円(10㎡分と想定) |
特殊コーティング作業 | 65,000円(10㎡分と想定) |
合計 | 1,447,000円 |
※時価・別途相談となる作業は含まれていません
この料金に間取り別の基本料金や時価、別途相談の特殊清掃費用が必要となるため、総額150万円以上が必要となるでしょう。
火災現場はどこまで原状回復が必要なのかによっても必要な作業が変わるため、事前に検討しておく必要があります。
水害復旧清掃は、どの部分まで浸水しているのか、どの部分を特殊清掃業者に任せたいかの2点によって料金が大きく異なります。
例えば、床下浸水をした場合は床下洗浄作業や床下消毒作業、床下排水作業が必要となるため、下の表のようにおおよそ636,945円がかかります。
床下洗浄作業 | 3日を想定 489,994円(税込) |
床下消毒作業 | 102,887円(税込) |
床下排水作業 | 1日:44,064円 (税込) |
合計 | 636,945円(税込) |
床上まで浸水している場合は、これに加えて床上浸水清掃作業や床上浸水消毒作業などが追加されるため料金が高くなります。
水害の場合は家族やボランティアによって床下の排水や床上の洗浄をおこなうことがあるため、専門的な技術を要する床下洗浄や消毒だけを特殊清掃業者に依頼することもあります。
孤独死現場の作業料金はトイレやお風呂、リビングなど、どこで孤独死をしたのかによって大きく異なります。
お風呂で孤独死をした場合には料金が高くなる傾向があります。
例えば、浴槽に水がない状態でも、間取り別の基本料金に125,000円前後がプラスされることになります。
浴槽に水があればさらに高額になります。
浴槽の清掃:水がない状態 | 80,000円 |
浴槽の消臭作業 | 30,000円 |
浴槽の消毒作業 | 15,000円 |
合計 | 125,000円 |
セルフネグレクトなどで部屋の中にゴミが溜まりゴミ屋敷となってしまった場合にも、特殊清掃を依頼することが多いです。ゴミ屋敷の料金は、ゴミの量と作業時間に左右されます。
目安となる料金は、下の表のとおりです。
作業内容 | 料金 |
車両費 ごみを運搬する車両にかかる費用 | 2トントラック: 10,000~15.000円(1台) |
ごみの分別・袋詰め作業 ごみを分別して袋詰めをする作業 | 1時間: 10,000円~20,000円(1人) |
清掃作業 室内を清掃する作業 | 別途料金 |
ごみの処分費用 ごみ屋敷のごみを処分する費用 | 別途料金 |
回収するゴミの量が多い場合は、ゴミの分別作業に時間がかかりゴミの処分費用も高くなります。
例えば、ゴミの分別に2人で3時間かかった場合にはゴミの分別・袋詰め作業代として30,000円〜60,000円ほどかかります。
ゴミ屋敷の清掃は孤独死の特殊清掃と併せて実施されることがあり、その場合は清掃作業として孤独死現場の特殊清掃がおこなわれます。
ペット屋敷の場合は、ペットを飼育している部屋の広さと汚れ具合によって料金が上下します。
ペットを飼育していると、引っ越しなどで原状回復が求められる場合には特殊清掃で消臭作業や消毒作業をすることがあります。
他にも、飼育放棄や多頭飼いの崩壊などでペット屋敷となっている現場を原状回復する場合があります。
例えば、2部屋あるマンションでペットを飼っており臭いを完全に除去したいという場合には、間取りに合わせた基本料金にプラスして340,000円ほどかかることになります。
壁紙剥がし作業 | 70,000円(2部屋) |
雑菌消毒、除菌作業 | 70,000円(2部屋) |
フェロモン臭分解作業 | 200,000円(2部屋) |
合計 | 340,000円 |
※別途相談となる作業は含まれていません
ペット屋敷の特殊清掃は部屋の状態に応じて作業内容が大きく変わるため、どれくらいかかるのか事前に見積りを取るといいでしょう。
特殊清掃の料金は間取りと現場の状況によって大きく異なりますが、料金を左右するポイントが4つあります。
具体的にどのようなポイントなのでしょうか。
かかる日数と人員が多くなるに従って、特殊清掃の料金は高くなります。
特殊清掃の日数や人員を左右するポイントとしては、主に次のようなことがあります。
特殊清掃をする部屋が広いとその分被害が広範囲に及んでいるため、日数や人員が増加しやすい傾向があります。
特殊清掃の現場が酷く汚れている場合や大掛かりな作業が必要な場合は、どうしても日数がかかります。
例えば、孤独死現場の場合は床の切断や消臭作業が必要となると、時間を要する可能性があります。
このように、特殊清掃に必要な日数や人員は料金を左右するポイントとなるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
特殊清掃だけでは原状回復が難しく解体やリフォームが必要な場合は、コストがかかります。
特殊清掃業者がどれだけ高い技術を使って清掃をしても、家具や建物自体が損傷している、床や壁にシミや臭いが染み込んでいるとなると清掃の域を超えてしまうため、リフォームや解体をしなければなりません。
リフォームや解体は特殊清掃業者を通じて依頼できる場合と、個別で依頼する場合があります。
特殊清掃のことで頭がいっぱいになってしまうと、建物を最終的にどのような状態にしたいのか忘れがちです。
原状回復が必要なのか解体してもいいのか、最終的な目的を念頭に置いて必要なコスト総額を考えるようにしてください。
室内の除菌や消臭が必要となると、特殊清掃料金の相場より高くなる傾向があります。
その理由としては、次の2つが挙げられます。
室内にこもった臭いや有害物質を完全に取り除くには、時間を要します。
一時的に消臭や除菌ができても、時間の経過とともに再び湧き出てしまうと意味がないからです。
時間がかかる分人員や設備使用料が発生するので、料金が高くなります。
除菌や消臭には、国内で数少ない特殊な設備を使用することが多いです。
安全性や効果を把握して使用できるのは一定の特殊清掃業者に限られているため、技術料及び薬剤料がかかります。
除菌や消臭は普段の掃除では難しく、特殊な設備や技術を持ち合わせている特殊清掃業者だからこそできることなので、料金にも反映される部分です。
「【間取り別】特殊清掃の料金相場」でもご紹介したように、特殊清掃を必要とする部屋が広ければ広いほど間取り別の基本料金が高くなります。
間取りが広くなることで
ため、時間的にも人員的にもどうしてもコストがかかってしまうのです。
部屋の広さも特徴清掃の料金を左右するポイントとなることは、事前に把握しておきましょう。
今回は、ふだんあまり馴染みのない特殊清掃の料金についてみてきました。
特殊清掃の料金は「間取り+作業内容」で決まります。間取りが広い方が費用は高くなります。
作業内容は特殊清掃に多い
について、具体例をみてみました。
間取りと作業内容が同じでも、状況によって料金が変動する場合があります。
料金を左右するポイントは
の4つなので、これらを理解したうえで、見積りを取るようにしましょう。